CONCEALED SORROW
息で膨らませた風船が、浮かばないのはどうして。
親が買い与えてくれた風船がしぼんでしまった。
吐息で膨らませた風船が、宙に浮かばない。
その時、彼は息の中に重さがあることに気づいた。
彼がその重さに意味を込めてしまった時に、風船はしぼむことがなくなった。
制作裏話
誰にも知られずに、自分の中だけに留まらせておきたいことってたくさんありますよね。
他人の感情は目には見えないし、本人の口から聞いたこともその真偽は本人にしか分からないものです。
ただ、人が抱える悲しい感情って隠しきれないと思うんですよね。本人は隠せてると思ってても。
その人の話し方とか言葉とか仕草、空気感から、なんとなく、物理的な質量みたいなものを感じてしまいます。
ふとした時に出てしまう、ため息が分かりやすいですかね。ただの吐息ではなくて、物理的な重さを感じる吐息というか。
幸せなことよりも悲しいことの方が強く記憶に残ってしまう。
10のうち悲しいことは2割だけ、幸せなことが8割あったとしても、2割の悲しみがずるずると心に絡みついてくる。
なんとか受け止めようとしてみるけど、容量には限界がある。
だから言葉にしたり、行動に移したり、表現したり、何かに縋ったりして、器に溜まったものを外に出すことで、少しでも容量を空けようとする。
そしてまた目の前に現れてくるそれらを受け止める。
これを繰り返して、なんとか生きていくしかないんだと思います。
自分の吐いた息で膨らませた風船が浮かばなくなってしまった時には、もう手遅れかもしれません。それほどの重みになってしまっている。
1番残酷なのは、そういう悲しみを隠しきれなくなった人が狙われて、食い物にされてしまうことです。
そうならないように、上手な容量の空け方を覚えられるといいですね。
デザインの赤い文字の部分には「Discernible」と書かれています。
「Concealed sorrow is discernible」がこのデザインが意図していることです。
#舞台設定
80年代ぐらいの外国
#キャラクター設定
愛情不足の少年
#アクション
風船の中に、感情が含まれる