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Sinking Rest
欲に溺れて。
食事で腹を満たしても、音楽で耳を満たしても、恋人と愛を分かち合っても、友人と世界の秘密を語り合っても、ずっとその穴は埋まらない。
とても重要な何かが、そこに必要な気がしていた。
ある日、粘土を手にした。ひんやりと冷たくて、適度に力が入る重量で、なにより程良く形を変える。その触感が、穴を埋めてくれた。
手のひらで触れるだけでは物足りなくなって、首に巻いてみたり、足の指の間に埋めてみたり、あげく口に含んでみた。欲求は際限なく膨れ上がる。
泥の中に、身を沈めていく。
制作裏話
ある程度冷たくて、ある程度重い物ってなんであんなに心地が良いのでしょうか。
小さい頃に公園の砂場で泥遊びをしている時、ひんやりした泥の感触が心地良いと感じていたことを思い出します。
ずっと埋まらない穴。なんで空いてるのか分からない穴。
それが埋まるなら、救いになるなら、手段はなんでも良いのかなとか思ったりします。
客観的に見て感じる自分の思いや考えは、所詮自分のエゴでしかありません。
受け取る側は、もちろんそれを受け入れる義務はありません。
でも、安息の地を求めすぎて、境界線を見失ってしまわないようにだけ、注意しましょう。
あなたも私も。
#舞台設定
肌寒くなってきた時期の沼地
#キャラクター設定
24歳くらいの女性
#アクション
心の穴を埋める感覚を求めすぎて、泥の中に身を沈めてしまう
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