
UNDERSKIN

見つめるほど、沈んでいく
男は、暴虐の果てに生まれた。
美しいがゆえに、ある男に力づくで奪われた女から生まれた、美しいが誰からも愛されない男だった。
母親は息子を愛そうとした。
けれど、その顔を見るたびに犯した男を思い出し、やがて心を病み、命を絶った。
人々は言った。
「母親が死んだのは、あの子のせいだ」
「悪魔の血を受け継いだ子供だ。美しい見た目で人を惑わせ、喰らうようになるだろう」
男は幼い頃から誰にも愛されず、触れられず、見向きもされなかった。
女も子供も、彼を見ると目を伏せ、ときには涙さえ見せた。
男は悟った。
———自分は人を不幸にする存在なのだ。
母を失ったその日から、男はひとり、息を潜めるように生きてきた。
ある日、男が森を歩いていると、見知らぬ湖にたどり着いた。
何度も足を運んだ森なのに、これまで一度も見つけたことのない湖。
男が訝しみながら近づくと、湖の中に人の影が見える。
さらに歩み寄ると、その影もこちらに近づいてくる。
———逃げない人間を、初めて見た。
『やあ』
男が努めて笑顔で声をかけると、湖の人もぎこちなく笑いながら返してきた。
近づけば近づくほど、その人が恐ろしいほどに美しいことに気づいた。
見惚れる男を、相手もまたじっと見つめ返す。
『元気ですか』
そう問えば、湖の人も同じ言葉を返してきた。
男が笑えば、あちらも笑った。
まるで自分を映す鏡のように。
それから、男は毎日のように湖へ通った。
自分に話しかけ、笑いかけてくれる唯一の存在。
男はその美しい人に、深く耽溺していった。
ある日、男は勇気を振り絞り、言った。
『愛してる』
すると湖の人は、涙を流しながら、同じ言葉を返した。
『愛してる』
男は吸い寄せられるように湖へ身を乗り出し、
口づけをした。
沈んでいくように、2人は一つになった。
制作裏話
Coming Sonn...
























